6月20日に築地市場の移転問題について小池都知事が記者会見を開いた。
内容としては一度市場を豊洲に移転し、5年をめどに築地市場を再開発するというものであった。
大まかな概要は以下の通りである。
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まず、直近については豊洲に市場を移転。その間築地市場はオリンピック用の輸送拠点として活用する。
環状2号線についてもオリンピック前には開通させるという予定だ。
5年後に新しい市場として再び築地を活用する計画だ。「築地ブランド」を確保し、豊洲から戻りたい業者が戻れるように環境を整備するようだ。
では築地に市場を戻した後の豊洲はいったいどうなるのかというと、加工・冷蔵・冷凍などの機能を強化し、総合物流拠点とするとのことである。
二者択一ではなく二兎を追う。なんとも小池都知事らしい発想である。築地のブランドを最大限活用しようという考えがよくわかる。
さかのぼってみると2001年に豊洲市場への移転は決定された。
なぜ築地から移転しなければならないのかというと、市場の設備の老朽化が原因である。
築地市場は1935年に開設されており、80年が経過した現在では建物の一部が落下してしまうほど老朽化してしまっているのである。
また震災への対策も急務であったため、新しい市場として豊洲への移転が決まったのである。
しかし2008年に豊洲の土壌汚染が発覚。
当時の石原慎太郎都知事が対策を講じた上で移転を決めたものの、昨年に再度土壌汚染が発覚。
当時の対応など調査が行われ、結局方向性が決まっていないような状況であった。
今回の件でやっと進展するのかと思うが、会見では具体的な期日については触れられていなかった。
これまで散々振り回されてきた市場関係者たちはまだまだ納得のいかない様子である。
市場関係者は当初の計画に合わせて豊洲への移転の準備をしていたのであるから、結局移転するのであれば早くして欲しかったと思うのも無理もない。
また、結局スケジュールについては一切具体的な言及がなかったことからまだまだ懐疑的な見方をする関係者も多いようだ。
個人的にも豊洲への移転がいつになるのかはまだ当分先になってしまうのではないかと思う。
問題の根本である安全性についていまだに何の情報開示がない。
世の中の一般の人々に安全性が確保できたことを伝えることができない限り、豊洲市場の最大限の活用はないだろう。
23日告示の都議選を間近に控えているというのも決して偶然ではないだろう。
ここから事態が進展していくか、小池都知事の今後の発言に要注目だ。
〜追記〜
豊洲への移転時期について小池都知事が「2018年5月を目指す」と発言した。
どんなに遅くなろうとも2018年中には必ず移転するとのこと。
熟考した上での発表なのか都議選を前に「決断できない都知事」というイメージ払拭のための発表なのか…
前者であることを祈りたい。
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