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出光お家騒動に新展開!公募増資で創業家の議決権比率低下が狙い?差し止め請求は通る?
で記事にしていた出光の公募増資について、7月18日に東京地裁が公募増資を認める判断を下した。
これを受けて創業家サイドは東京高裁に即時抗告をしたものの、19日に東京高裁は創業家サイドの主張を認めず、
公募増資差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告を棄却する決定を下した。
出光サイドはこれで合併の特別決議の承認を得られる可能性が大きくなったものの、当面は創業家の説得を続ける方針。
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増資の資金使途は一部合理的である
今回の出光の強攻策といってもいい公募増資は、その資金使途が合理的であるかどうかが差し止め請求の結果と大きく関係していた。
出光は資金使途について
・製油所建設などの戦略的投資
・借入金の返済
の2つを掲げていた。
この2つのうち、今回東京地裁では戦略的投資については非合理的であり、借入金の返済については合理的であると判断したようだ。
実態としては、この資金調達の大義名分と創業家の影響力低下の両方を考慮した上で判断されたのだろう。
創業家以外の株主はほぼ会社側を支持しているというが…
これまでは先日の株主総会において人事案が賛成比率約61%で可決されたことから、創業家以外の株主のほとんどが会社側を支持しているとみられていた。
しかし、3日の公募増資の発表から、やや雲行きは怪しくなってきている。
その理由は、株主総会からわずか4日後にこの公募増資を発表していることから、
「株主をだますようなやり方」、「誠実ではない」
といった印象を持たれているからだ。
株主がこのような印象を持つのは当然のことだろう。
株価が7月の間ずっと下がり続けているのも株主に嫌気されていることの証拠だ。
創業家に残された手段は合併の差し止め請求
今回の公募増資によって、創業家サイドは議決権比率の低下は避けられなくなってしまった。
そうすると創業家はもう指をくわえて出光が昭和シェルと合併するのを見るだけになってしまうのか。
その答えはノーだ。
創業家サイドにはもう一度合併を行わせないチャンスがある。
それが合併の差し止め請求だ。
通常企業が合併などの組織再編行為を行う場合、当初より反対の旨を表明していた株主は、株主総会の決議から合併成立後6ヶ月間が経過するまでの間その行為を無効にする請求を行うことができる。
創業家は必ずこの手段をとってくるだろう。
払込日を20日に迎えた今回の公募増資によって議決権比率は合併を行うことが可能になった。
しかし、今後もまだまだ騒動は大きくなる要因があるのだ。
まだまだお家騒動は収まらなさそうだ。
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