今回の衆議院議員選挙で台風の目となるかもしれない小池都知事が率いる「希望の党」。
その希望の党が10月6日に出した公約の中に「内部留保課税」というものがありました。
この内部留保課税とは企業が蓄えている手元資金に対して課税するという内容です。
希望の党は消費税の税率引き上げに反対している中、低所得者に対して所得を分配する
「ベーシックインカム」の導入も公約に掲げています。
内部留保課税はその財源とするためのものなのでしょう。
今回はこの内部留保課税についてまとめました。
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留保金課税とは似て非なるもの
現在、似たような税制で「留保金課税」という仕組みがあります。
留保金課税は対象が同族会社、つまりオーナーとその親族で株式の過半を持つ会社で
かつ資本金1億円超の会社です。
課税対象となるのは
その年の所得から配当金や役員賞与、法人税など社外へ流出した分を差し引いた金額です。
複雑な計算がなされるのですが、おおもとの課税対象はその年の所得から社外流出分を差し引いた金額です。
このように、現行の留保金課税は対象の会社も、金額も限定的です。
一方で、希望の党が打ち出した内部留保課税の課税対象はもっと範囲が広そうです。
小規模企業は除くのかもしれませんがそれ以外のほとんどの企業が対象となりそうです。
そしてその対象企業が蓄えている手元資金に対して課税するというのです。
留保金課税と比較して圧倒的に対象企業も多く、対象金額も大きいのが内部留保課税なのです。
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背景には400兆円を超える内部留保
小池都知事が消費税増税を延期した上でさらにベーシックインカムを実現するための
財源を捻出するために着目したのが企業の内部留保です。
財務省が今年の9月に発表した「法人企業統計」で企業の内部留保がなんと
406兆円もあることがわかりました。
アベノミクスが始まった4年前から100兆円も増加しているのです。
景気が好転し、かつ法人税の減税などもあり企業は潤ってきているものの賃金が上昇せず
消費が伸びないことが問題視されている中、これだけ内部留保が増加しているのは確かに問題ではあります。
しかし、今回のやり方は企業に資金を吐き出せと脅しをかけているようなものです。
非常に社会主義的な政策であると言えるでしょう。
企業が賃上げに踏み切れないのも、個人の消費が伸びないのも今の好景気が続くと
思えないことが根本にあるからでしょう。
今のうちに痛みを伴う政策を実行し、財政収支を黒字化することで年金や医療などの
社会保障制度を継続実現可能なものとすることが、長期的な経済の成長につながるのではないでしょうか。
選挙の結果には注目ですね。
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