中小企業診断士試験についての記事も5つ目となり、佳境に入ってきている今回は経済学・経済政策について。
この科目は世の中の経済活動について理論的に理解するための内容である。企業が販売する商品の価格が決まるまでのプロセスや、需要・供給が経済活動に様々な影響を与えているかなど、経営者が自社の経営を考える上で重要な考え方だ。
経済学・経済政策はミクロ経済学とマクロ経済学の2つの分野がある。
ミクロ経済学はその名の通りミクロ単位から捉える経済学であり、消費者個人の経済活動や一企業の経済活動のことを指す。本分野では消費者の商品を購入するまでのプロセス(需要)と企業が商品の生産・販売を決定するまでのプロセス(供給)が相互に影響しており、どのように作用するかを数式を用いて理論的に説明している。
私たち個人の消費者は決まった予算の中で商品を購入する。同じ商品であれば価格が安く寝ればその分多く購入したくなる。つまり需要が増加する。商品が高くなった場合は予算に上限がある以上、購入する数を減らさなければいけない。つまり需要が減少する。
企業の立場から考えた場合、商品が安くなってしまうとその分利益が少なくなってしまうため、生産量を減らす(実際には儲けが減る分生産量でカバーする、薄利多売ということもよくあるが本科目では理論的な概念であるため一旦気にしないことにする)ため供給の減少となる。逆に商品が高くなった場合は儲けが増えるためより多く生産するため、供給の増加となる。
つまり供給と需要は逆走間の関係にあり、2つが均衡するところに価格が落ち着くのである。このような理論の他、消費者の満足度に関して理論的に捉えた効用・無差別曲線や、需要が価格や所得の増減によってどれだけの影響を受けるかについての需要の価格弾力性・需要の所得弾力性などの理論がある。
マクロ経済学は国全体という大きな単位で経済活動を考える。GDPの三面等価の原則や景気動向、インフレ・デフレなどの概念、それに対する金融政策・財政政策の効果を理解することが重要である。
マクロ経済学は財市場・貨幣市場・労働市場の3つの市場があることをベースに学習していく。
財市場はサービス・商品、貨幣市場は貨幣、労働市場は労働力と賃金が取引される市場を指す。それぞれの需要と供給によって国民所得、利子率、賃金が決定される。
以上、経済学・経済政策について簡単に記載した。本科目は経済活動を理論的に捉えるため実際の経済と一致しない点も多々あるものの、経済活動の基礎を理解することができる重要な内容である。次回は経営法務、中小企業経営についてご紹介する。
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