中小企業診断士試験③ 財務・会計

今回は2科目目、財務・会計について。

本科目は企業を経営するには不可欠である資金について問われる。企業の財政状況や収支などを数字で診断する能力は経営コンサルティングを行う上で非常に重要である。一次試験・二次試験に関係しており、計算問題が多いため数字が苦手な方には得点源にするのは難しいかもしれない。しかし、計算問題は反復し身につけてしまえば貴重な得点源となるので、重点的に学習すべきだと思う。

財務・会計はアカウンティングとファイナンスの2つの分野にわかれる。

アカウンティングとは、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表、簿記、税務、キャッシュフロー、原価計算、経営分析など企業の会計の分野だ。

企業が事業を行うということは、資金を調達し運用することで利益を生み出すことである。どのように調達して運用しているかを表しているのが貸借対照表であり、利益(損失の場合もある)をどのように生み出しているかを表しているのが損益計算書である。財務諸表はこのほかに現金の増減の状況を表すキャッシュフロー計算書、純資産の増減を表す株主資本等変動計算書がある。

財務諸表を作成する際に簿記の知識が必要であり、財務諸表から企業の経営状況を読み解いていくために必要となるのが経営分析の知識である。財務諸表は見慣れていれば異常値には気づくことができる。普段あまり企業の決算書を見る機会がない方は、是非インターネットで上場企業の財務諸表に目を通してみてほしい。その際、業界や業種によって平均的な数値が異なるので、事業内容を確認した上で見ることが重要である。

 

次にファイナンスとは、事業活動の源泉である資金の調達方法やそのコストの考え方、運用した資金を運用・投資する際の考え方である。

企業が資金を調達する方法は大きく2種類ある。資本で調達するか、負債で調達するかである。資本で調達するというのは、株式を発行して企業に出資を募ることだ。負債で調達するというのは、例えば銀行から借り入れを行うことである。

株式で調達した場合、企業は返済の義務はない。出資者は企業からの配当金や株式を売却することで投資した資金を回収する。会社が倒産した場合には0となってしまう可能性がある分、出資した資金の何倍・何十倍もの利益を生み出す可能性もある。

借り入れで調達した場合、企業は定められた期間で返済する義務があり、加えて金利を支払う必要がある。貸し手は利息=収益となる。企業は倒産した場合、残った財産は優先的に借りれの返済に充てる必要がある。株式の返済の順番は一番最後であるため、倒産した場合は返ってこないことがほとんどである。

企業は資金を運用する上で、資金の調達にかかるコストと運用した成果・リターンを検討する必要がある。リターンよりもコストが上回っていたらその活動は損を生み出すことになるからである。

以上が財務・会計の内容だ。知識の習得に加えて確実に計算を行うことが求められるため、難しい分取り組みがいがあると思う。

 

次回は運営管理、経営情報システムについてご紹介したい。

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