中小企業診断士試験② 企業経営論

今回から中小企業診断士試験の内容について。

中小企業診断士試験(以下、本試験)は第一次試験→第二次試験→口述試験という流れになっていることは前回の記事でご案内した通りである。一次試験は7科目の合計得点が60%以上かつ40%未満が1科目も無ければ合格となる。

7科目とは

①企業経営理論

②財務・会計

③運営管理

④経営情報システム

⑤経済学・経済政策

⑥経営法務

⑦中小企業経営・政策

以上の7つである。企業の経営に関わる内容が網羅されている。

今回は①企業経営論の内容をまとめてみたい。

企業経営論は3つの分野から構成されている。経営戦略論・組織論・マーケティング論の3つだ。

経営戦略論は、経営活動を経営理念・ビジョン・企業戦略、経営計画によって構成されているとし、特に企業戦略について重点的に出題される傾向にある。SWOT分析という言葉は良く耳にするが、これも経営戦略論の考え方の1つである。

ざっくりまとめると経営戦略論では自社の強みや弱み、事業の定義付けを行う際の考え方や、外部環境と自社のポジションについて整理した上でとるべき戦略を検討する際の考え方を述べている。

 

続いて組織論は、組織の構造や構造ごとのメリットデメリット、人材管理や労務管理について述べられている。この分野では組織を構築する際に、どういった組織体系にするか、働く人材に対する報酬や昇進・昇級などの仕組みをどのようなものにするかを考えるベースとなる内容だ。

 

最後にマーケティング論では、消費者行動や価格戦略、ブランドなど自社の商品を売るための仕組みをつくるために考えることが述べられている。消費者が商品を購入するまでにどういった行動をするのかや、市場や製品・価格を検討する際に考慮すべき点について述べている。

 

以上が第一次試験の1科目である企業経営論の内容である。企業経営論の内容は第二次試験でも頻出のものが多いため、注力すべき科目である。

企業経営論の中で個人的に非常に印象に残ったのが、「マズローの欲求段階説」である。これは心理学者のマズローが人間には5つの段階の欲求があるという考え方を唱えたものだ。人間は生理的欲求が最初にあり、それを満たすと安全の欲求、社会的欲求、自我の欲求、そして最後に自己実現の欲求があるという。最後の自己実現の欲求には終わりはなく、常に新しいことにチャレンジしたいという欲求が生まれてくるとされている。

この考え方によれば、自分の可能性に挑戦している人は、その他の4つの欲求を満たしていることになる。身近な例や自分自身に置き換えて考えてみると、決してそのようなことはなく、欲求の多くは入り交じったものであるように思う。周りに認められるために自分の能力を高めることはよくあることだろう。欲求の種類も確かに大事だが、欲求を満たすための行動こそ重要ではないかと思う。

 

最後は蛇足になってしまったが、以上が企業経営論の簡単な内容である。次回は財務・会計についてご紹介したいと思う。

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