不動産鑑定への圧力排除の動き。国土交通省が拒否権を明文化を発表。

一物四価ともいわれる不動産の時価を算定する重要な役割を担う不動産鑑定士。

彼らに対してこれまで大企業や政治家などの権力者が、意図した価格を出すように圧力をかけていたようだ。

権力者の圧力なんて昔から当然のようにあるのだろうが、今回国土交通省が圧力の深刻化を問題視し、拒否権を規定に明文化する対策を決めた。

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不動産鑑定とは

 

そもそも不動産鑑定とは、不動産の正確な価額を決定するために不動産鑑定士によって行われる。

正確な価値を把握する必要が出た場合に活用される。

具体的には、

・不動産の売買

・不動産の贈与

・不動産の財産分与

・不動産の証券化

などが挙げられる。これらの行為を行う際には不動産の正確な価値を基に取引を行う必要があるためだ。

不動産鑑定士が算出した価格により売買価格や取引に伴う税金の計算などを行うのである。

不動産鑑定士は国家資格であり、不動産の鑑定評価は不動産鑑定士の独占業務である。

 

鑑定方法

 

不動産の鑑定方法には以下の3つがある。

①取引事例比較法

この方法は、鑑定対象の不動産と同様の条件が実際に取引された価格を基に、対象の不動産の鑑定を行う。

②収益還元法

収益還元法はメジャーな鑑定方法だ。鑑定対象の不動産が今後生み出す収益と現在の価値を算出する方法である。

この方法はさらに直接還元法とDCF法の2つにわかれる。

直接還元法は対象不動産が生み出す1年間の利益を還元利回りで割り返して算出する。

DCF法は物件が生み出す将来のキャッシュフローを一定期間予測し、それを現在の価値に割り引いた合計を用いて算出する。

DCF法は不動産のみならず、企業の価値を算出する際にもよく活用されるが、割引率の設定に恣意性が大きく、公正な価値を算出することが難しいと言われている。

③原価法

この方法は、対象不動産を再度調達すると仮定した場合、原価がいくらかかるのかに築年数を加味して算出する。

鑑定への圧力

 

これまで不動産鑑定について簡単にまとめたが、鑑定結果に圧力がかけられていたようだ。

ここ20年間で8件不動産の価格が不適当であるとして処分されている。

処分が下されたのが8件であり、実際には相当数の物件でいわゆる忖度された価格がつけられているのだろう。

不動産取引が活発化する中で、鑑定評価の信頼性が無くなること不安視し今回の規定への拒否権の明文化を決定した。

正直なところ、恩恵を受けていたのは権力者たちだけであり、一国民は公正に鑑定されていなかったことに不満を感じるのみだ。

今後もどんどん既得権益へメスをいれてほしいものだ。

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