不動産市況が落ち込む前に不動産を売却したい!税金はいくら?特例ってあるの?

東京オリンピック開催が決まって以来、国内の不動産市場は活況となっていた。

マーケット関係者はここ1・2年で大きく稼ぐことができたであろう。

しかし、最近の新聞記事では新築マンションの価格が上がらなくなてきていることや、やや遅れて値上がりしていた中古マンションの価格も反転してきているといった、雲行きの怪しい内容が多い。

賃料についても上昇局面は終了しているようだ。

少しでもマーケットが良い環境のうちに不動産を売却して利益を出したいと考えている方も非常に多いと思われる。

今回は不動産の売却にかかる税金についてまとめた。

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不動産売却の利益とは

そもそも不動産を売った場合の利益とは一体何を指すのか。以下、具体的な例を用いて説明する。

売却不動産A

取得価格:1億円

取得時の費用:500万円

売却価格:1億5,000万円

譲渡時の費用:500万円

この場合、不動産の売却による利益は

1億5,000万円ー(1億円+500万円+500万円)=4,000万円 となる。

つまり、売れた値段から買った時の値段と、買う時と売る時にかかった諸費用を引いた金額が利益となるのである。

このとき、取得したのがもうずいぶん昔で取得した時の費用がわからないという場合、売却価格の5%の概算値を用いることも可能となる。

長く所有していて大きく値上がりしている場合、この概算値を使った方が税金が安く済むケースは多い。

利益にかかる税金は

前段で求めた利益に対して税金が発生するのだが、ここで2つの観点が発生する。

①所有期間が5年を超えるか

不動産の売却の場合、所有期間が5年を超えるか否かでかかる税率が大きく変わる。

5年以下の場合は短期譲渡所得に該当し、5年超の場合は長期譲渡所得になる。

ここでいう所有期間とは購入した日から丸5年ではなく、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかが判断基準となる。

例えば、2012年の6月1日に購入した不動産を2017年の6月27日に売却した場合、購入から丸5年は経過しているものの、その年の1月1日、つまり2017年1月1日時点では丸5年を超えていないため、短期譲渡所得となってしまうのである。

それぞれの税率はというと

短期譲渡所得:39.63%

長期譲渡所得:20.315%

このように、約20%、つまり倍近く税率が変わってくるのである。

先ほどの例で考えた場合、

短期 4,000万円✖️39.63%=約1,585万円

長期 4,000万円✖️20.315%=約812万円 となり、約773万円もの税金の差が発生するのだ。

②居住用の住宅か

売却する不動産が自身の居住用であった場合、まずは所有期間に関わらず受けることができる特例がある。

それは利益から3,000万円が控除されるものだ。

続いて居住用建物で10年超の場合、6,000万円以下の利益については税率を14.21%を適用する。

先ほどの例の場合、全額でも4,000万円であるため、

4,000万円✖️14.21%= 約568万円となる。

居住用不動産についてはそれだけ国が優遇しているのである。

居住用財産の買換え特例

もう一つ居住用財産であった場合の特例がある。それがこの居住用財産の買換え特例である。

これは1億円以下の居住用不動産を売却し、新たに居住用不動産を購入する場合、売却の際の利益に対する課税を新たに購入する金額に応じて繰り延べるということである。

この特例は、譲渡代金≦買換え代金の場合は利益が全額繰り延べとなる。

譲渡代金〉買換え代金の場合、買換えに充当した金額に対する課税は繰り延べられる。

以上が不動産を売却する時の利益や税金、特例について主だったもののみまとめた。

居住用不動産は人間の生活に必要不可欠のものであるため、様々な特例が用意されているのも当然だろう。

ご自身の所有不動産を売却する場合、マーケットの状況とあわせて税制についてもよくよく確認した上で判断したいただきたい。

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