2017年10月5日、スウェーデン・アカデミーがノーベル文学賞の授賞者を発表しました。
授賞者は作家のカズオ・イシグロさん(62)です。
日本人の名前のようですがなぜカタカナで表記されているのか…?
と思っていたのですが生い立ちを知ると納得しました。
カズオ・イシグロさんは日系イギリス人の方だったのです。
日本語は話せるのか、作風はどのような感じなのかなど色々と気になりますよね。
本日はノーベル文学賞授賞作家であるカズオ・イシグロさんについてまとめました。
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両親は日本人!長崎で生まれる。
現在は日系イギリス人であるカズオ・イシグロさんですが、ご両親は日本人なのです。
ご両親は長崎に住んでおり、1954年にカズオ・イシグロさんも長崎で生まれました。
お父様は海洋学者で、1959年に北海で油田調査を行うために一家でイギリスに渡ります。
当時カズオ・イシグロさんはまだ5歳でした。
5歳でイギリスのサリー州・ギルドフォードに住み、そこのグラマースクールに通いました。
グラマースクール卒業後、一時期はミュージシャンを目指していたようです。
デモテープをつくりレコード会社に送ったこともあるそうです。
その後ケント大学の英文科、そしてイースト・アングリア大学大学院創作学科を卒業します。
このイースト・アングリアで作家のマルカム・ブラッドペリに出会い、ミュージシャンから作家に夢が変わったようです。
そして1982年にイギリスに帰化し、1986年に結婚されます。
日本語はほとんど話せない
日系イギリス人のカズオ・イシグロさんですが日本語はほとんど話せないようです。
5歳でイギリスに渡っているので、日本語を話せないのが自然ですよね。
その分英語がペラペラですからね!
作品は小津安二郎や成瀬巳喜男などの日本映画の影響を受けているとかつてインタビューで語っていました。
作品に日本がまったく関係していないわけではないようですね。
最初の2つの作品も日本を舞台とした内容になっています。
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登場人物の負の感情を感じさせる作風
そんなカズオ・イシグロさんはどんな作品を書くのでしょうか。
デビュー作は「遠い山なみの光」。王立文学協会賞を受賞します。
これは戦後の荒れ果てた長崎で結婚した女性が主人公の話です。主人公はある母娘と出会い、彼女たちの行動に不安を感じます。
この作品は9カ国で翻訳され販売されています。
2作目は「浮世の画家」。ウィットブレッド賞を受賞します。
この作品ではある有名な画家の引退前後の心境や周囲の対応の変化について描かれています。
そしてカズオ・イシグロさんといえば「日の名残り」。
イギリスの執事を主人公とした話で、この作品でイギリスで最高の文学賞であるブッカー賞を受賞します。
その後も多くの作品を描かれていますが、どれも登場人物の心情が丁寧に表されています。
特に不安や焦りなどの負の感情を描くのが抜群にうまいようです。
その作風が評価され、今回のノーベル文学賞の授賞に繋がったのです。
以上、カズオ・イシグロさんについてまとめてみました。
気になられた方はぜひ作品を読んでみてください。
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